lyric
心音は必ず遅くなってゆく
生命は必ず無音に帰してゆく
このゼンマイの巻き方は未だ天才にも
解き明かせないままでいるのだから
ある日美しい瞳の老人に合った
海岸沿いのくたびれたベンチで
「僕はもうあまり音が聞こえてないけれど
歌うことを、今でも愛しているんだ」
言葉はそこで途切れて
打ち寄せる音に飲まれた
かき消されそうな声で
彼は最後にこう呟いた
心音は必ず遅くなってゆく
生命は必ず無音に帰してゆく
このゼンマイの巻き方は未だ天才にも
解き明かせないままでいるのだから
生まれたその時と今じゃもう半分ほどか
左の胸を打ち鳴らすビートも
君の心臓はあとどれくらいの熱を
吐き出せるんだ?と、深く、強い声だった
それからはもう1度も
老人に会うことはなかった
それでも胸の奥のほう
あの日の言葉がまだ刺さってる
心音は必ず終わりへ向かってる
生命は必ず無音に帰してゆく
秘めたままで腐らせる手前の感情を
さあ、今吐き出して
過ちさえも、喜びさえも
いずれは全て朽ちるだけなのだ
それでも歌え、それでも鳴らせ
二度と来ない今日を
めちゃくちゃでいい、間違っていい
必死にもがいたその先に
希望は光る
心音は必ず遅くなってゆく
生命は必ず無音に帰してゆく
このゼンマイの巻き方は未だ天才にも
解き明かせないままでいるのだから